教育概要
卒後臨床研修
プログラム

1.研修の目的

卒後初期研修は、医師の一生の方向を決定するためきわめて大切です。第三内科の卒後初期研修の目的は、(1)専門性にかたよらず、患者全身をトータルな視線で診られる医師の育成、(2)Common diseaseや緊急性の高い疾患への対応力習得、(3)高度の専門知識や最新の医療技術をふまえた専門的医療の理解、(4)病態を科学的視線をもって冷静に分析できる科学者としての医師の養成であり、以上の面を兼ね備えた医師の育成を目標としています。この目的のため適切な各分野のスタッフを配置し、研修が充分かつスムースに行えるように配慮しています。また、第一線で活動をしている連携施設、関連病院と協力して初期研修の充実を図っています。

2.研修の実際

研修は6-7週間を1クールとして、3ヶ月間に2クールの研修を行います。

(1) 第一クール
糖尿病・内分泌グループまたは腎・膠原病グループに属し、6-8人の入院患者を受け持ち、研修を行います。

(2) 中間評価
研修の中間時点において、研修医自身による自己評価と指導医による評価を行い、研修の進行状況を把握し、後半の研修の見直しを行うとともに、研修医にもフィードバックしています。

(3) 第二クール
第一クールと異なるグループでの研修を行うとともに、前半経験できなかった疾患があった場合、第二クールにて受け持つことが可能。

(4) 最終評価
研修修了時に研修医による自己評価と指導医の評価を行います。

(5) 当直実習
希望に応じて、大学病院の第三内科救急外来の見学や関連病院の救急当直の見学をすることが可能です。

3.研修体制

研修医は下記の診療チームに所属して研修を行います。

(1) グループリーダー
糖尿病・内分泌グループまたは腎・膠原病グループ全体の診療指導を行います。

(2) 指導医
研修医1名につき1名の指導医が付き、診療指導を行います。専門医の資格あり。

(3) 主治医
研修医と共に、直接診療を行います。年齢も近く、何でも相談できます。

実績
3ヵ月の平均受け持ち患者数は以下の通りです(一部重複例あり)。

1型糖尿病 or インスリン治療 10例

2型糖尿病 15例

内分泌疾患 5例

高脂血症 8例

高尿酸血症 3例

腎不全 16例

透析患者 6例

糖尿病性腎症 5例

その他腎疾患 4例

関節リウマチ 2例

その他膠原病 4例

後期研修

プログラムの概略
当科では、代謝・内分泌疾患、腎・膠原病疾患の診療を通して、内科医としての基礎的能力を養成するとともに、専門医として必要とされる専門的臨床技能の習得とともに、それらの疾患における病態を、臨床医学的および生命科学的に把握できる最新の知識を学習し、自ら科学的な思考を深めることができる資質を高めることを目標としています。本プログラムには、臨床および基礎研究を優先する大学院コースと、より多くの臨床研修を優先する専門医コースを設けていますが、両コースともに可能な限り早い専門医取得を目指しています。

大学院コース

大学院に入学し、臨床研修を行うとともに、基礎あるいは臨床研究を行い、学位取得とともに専門医資格の取得を目指します。その後は、国内外への留学、関連病院での臨床研修などが可能です。

専門医コース

最初の1年間あるいは2年間は大学病院にて主治医として入院患者の診療を行い、その後、関連病院での研修を行います。後期研修1年目(卒後3年目)を関連病院にて行うことも可能です。また、社会人大学院や、より専門的な臨床研修・研究を目的とする国内留学も可能です。

臨床研修
研修内容(大学院コース)

a)1年目(卒後3年目)
大学院を前年度受験し、大学院に入学していただきます。臨床研修としては、3ヶ月毎に内分泌・代謝グループと腎・膠原病グループにローテーションし、それぞれ異なった指導医の指導を受けます。1年目は、臨床研修を優先して行いますが、研究グループの決定を行い、可能な場合は研究を開始します。

b)2年目(卒後4年目)
臨床研修を1年目に引き続き行いながら、研究を本格的に開始します。臨床研修は引き続き3ヶ月毎に内分泌・代謝グループと腎・膠原病グループにローテーションする。

c)3年目(卒後5年目)
研究に重点を置きながら、専門医取得に向けたより専門的な臨床研修を行います。

d)4年目(卒後6年目)
研究に重点を置き、研究プロジェクトの完遂および博士論文の作成を行います。必要研修年数および症例数に達した場合は専門医の取得も可能です。

e)5年目以降(卒後7年目以降)
国内外への留学、関連病院での臨床業務、大学病院での臨床および教育業務などの進路があり、希望およびその時点での状況に応じて選択することになります。(後述の海外留学実績の項参照)

研修内容(専門医コース)

a)1年目(卒後3年目)
大学付属病院に医員として勤務します。勤務するためには前年度に大学への申請を行うため、半年前に医局長あるいは科長に申し出て下さい。臨床研修としては、3ヶ月毎に内分泌・代謝グループと腎・膠原病グループにローテーションし、それぞれ異なった指導医の指導を受けます。希望があれば、関連病院での研修を行うことも可能です。また、社会人大学院に入学することも可能です。

b)2年目(卒後4年目)
臨床研修は引き続き3ヶ月毎に内分泌・代謝グループと腎・膠原病グループにローテーションします。また、専門医取得に向けたより専門的な臨床研修も開始します。

c)3年目以降(卒後5年目以降)
専門医資格取得にむけて、専門的な臨床研修を行います。必要とされる年数および症例数に達した場合は、専門医資格を取得していただきます。必要に応じて、関連病院での研修も可能です。

専門医取得

当科では、以下にあげる専門医取得が可能です。各資格は、各学会への入会が必須となります。早めに入会することをお勧めします。なお、大学院の在学年数も、教育病院での研修年数と同等として扱われます。また、専門医資格取得には、通常筆頭著者としての臨床に関する研究論文や症例発表を2ー3編必要とします。

1)認定内科医
  卒後臨床研修2年間+教育病院(または教育関連病院)での内科研修1年間
以下の資格は内科認定医資格取得(主要要件のみ記載)が前提となります。

2)内科専門医
  認定内科医取得後、教育病院での内科研修3年間

3)糖尿病学会専門医
  認定内科医取得後、認定教育病院での研修3年間(学会会員3年間)

4)内分泌・代謝専門医
  認定内科医取得後、認定教育病院での研修3年間(学会会員4年間)

5)甲状腺学会専門医
  学会会員歴5年以上

6)腎臓病学会認定専門医
  認定内科医取得後、認定教育病院での研修3年間(学会会員5年間)

7)日本透析医学会専門医
  認定内科医取得後、認定教育病院での研修5年間(学会会員5年間)

8)リウマチ専門医
  認定教育病院でのリウマチ学研修5年間(学会会員5年間)

9)老年病専門医
  認定教育病院での研修3年間(学会会員3年間)

研修病院

虎の門病院
日本赤十字社医療センター
三宿病院
東京警察病院
山梨県立中央病院
社会保険山梨病院
市川三郷町立病院
国立横浜病院
佐久総合病院
焼津市立総合病院
浜松聖隷病院

医師派遣病院

虎の門病院
日本赤十字社医療センター
東京警察病院
山梨県立中央病院
市立甲府病院
国立甲府病院
社会保険山梨病院
市川三郷町立病院
社会保険鰍沢病院
塩山市民病院
山梨厚生病院
石和温泉病院
富士吉田市立病院
都留市立病院
山梨甲陽病院
笛吹中央病院
勝沼病院
身延山病院
巨摩共立病院
多摩相互病院
沼津聖隷病院

研修生の声

梅雨明けが近くなり私が第三内科に入局してから一年が経ちました。入局してから病棟にて指導医の先生とともに治療に携わってきました。当科は主に代謝、内分泌疾患と腎疾患、膠原病の患者さんと接する機会が多いのですが、それ以外の疾患に対する経験ができるという特徴があります。それは当科を通院されている患者さんには様々な合併症がおこりうるからです。糖尿病ひとつにしても虚血性心疾患や悪性腫瘍、易感染性による感染症の合併が多く、また内分泌疾患についてはホルモンの作用により循環から代謝、電解質と体内バランスにものすごく大きな影響を及ぼすので二次性に様々な障害をきたします。(極小さな副腎腫瘍や下垂体腫瘍でもその影響力はとても大きいのです!)腎疾患や膠原病の患者さんについては主にステロイドの内服をしている方が多いため厳格な全身管理をしなくてはなりません。ろくに内科研修をしていない私でも先生方の助けのもと一年間で多くの経験をすることができました。当科の疾患に興味のある方、またゆっくり内科について学びたい方にはすごくお勧めです。新しく先生になる方、また何年目でも興味のある方は是非ご連絡ください。大歓迎です! (石原 千尋)

大学院
大学院へのお誘い

第三内科では大学院生は臨床研修と研究を平行して行っています。研究指導はほとんどの場合、当科の教官が指導を行います。研究環境も整っており、最先端の研究が行えます。また、医師以外の研究者の大学院生も受け入れております。

研究に興味がある方は大学院入学をお勧めします。大学院をお勧めする4つの理由をあげてみます。

1.研究プロジェクトを完成し論文発表するには数年間のまとまった時間が必要です。

2.研究の進歩は速く、研究の立案から実行と公表と進めていく過程には、ある程度スピードが必要です。

3.研究の思考回路を高めるためには、ある程度集中して研究を行う必要があります。

4.将来、論文博士という制度は廃止され、学位取得は大学院のみとなる予定です。

5.医員などを勤めながら大学院に入学する社会人大学院という制度もあります。

大学院生の声

今年、大学院4年生で「糖尿病の新規自己抗原と発症機序」について研究をしています。具体的には、患者血清と膵臓のcDNAライブラリーを用いて未知の自己抗原を探索し、その抗原に対する自己抗体がどのように糖尿病の発症に関わっているかを研究しています。大学院に進んで良かったと思うことは、研究することにより一つのことを理論立てて深く考える力が身に付いたことです。この力は臨床にも応用でき、今後の医師生活に非常に役立つと思います。また、世界中の誰も知らないことを発見したときの喜びは最高です。夢のある充実した医師生活をお望みでしたら、当科の大学院に進まれることを是非ともお勧めします。(滝澤 壮一)

学生時代は研究に関して特に興味はなかったのですが、医師になってからは医学がまだまだ不完全ものであることに気づき、研究することの必要性を感じたため後期研修の開始とともに大学院に入学しました。
現在自分は大学院2年目で、遠藤准教授の指導のもと糖尿病の発症に関する研究を行っています。まだ始めたばかりであり、これから良い結果が出せることを期待しています。病棟業務終了後に研究を始めるため、かなり忙しい生活ですが、研究も始めてみるとなかなか楽しいもので、充実した毎日を過ごせています。(高橋 昌志)

留学について

従来、大学院修了後、海外留学をするケースが多く、期間は2ー3年です。

これまで第三内科医局員の留学実績は以下の通りです。

米国

NIH・・・13名
UCLA・・・3名
ミシガン大・・・3名
ハーバート大・・・1名
アルゲニー大(ピッツバーグ)・・・1名

カナダ

トロント大・・・1名

ベルギー

ベルギー自由大・・・2名

スイス

ジュネーブ大・・・1名

イタリア

アントン ドーン研究所・・・1名

NIH留学から帰国して

私は大学院修了後、アメリカ合衆国メリーランド州にあるNIH(国立衛生研究所)に3年間留学(2007年4月帰国)させていただきました。NIHではDr.Sheue-yann Chengの下でresearch fellowとして、甲状腺ホルモン受容体の研究に従事しました。
当研究室はアメリカ国内に加えて、イギリスやフランスからの留学生もいて計7人のfellowと2人のtechnicianという構成でしたが、毎週 potluck partyがあるようなat homeな雰囲気のlabで家族も楽しく過ごせて何よりでした。
研究は変異甲状腺ホルモン受容体の遺伝子改変マウスを用い、同マウスで見られる発癌のメカニズムや、脂質代謝異常についての解析を行ってきました。とても親切で時に厳しいprinciple investigator(PI)の下で潤沢な研究費を使い、充実した3年間を過ごすことができました。
得難い経験をさせていただいたと思っております。(古屋文彦)

 
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